マーベル・シネマティック・ユニバースはそれまでの集大成となる映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」を1年前に公開し、映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にてヒーローの遺産と継承が描かれ、今年新たなフェーズへと突入する。
そんなMUC作品には多くの参照やイースターエッグが含まれており、それは後々に繋がったり、監督達曰くいまだに発掘されていないものをあるという。そんなMCUの歴史を振り返る意味も含めて、過去の作品のイースターエッグを紹介していく。今回の作品はMCU第8作目「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」。
以下、映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」のネタバレを含むため注意してください。
クロナン
映画の中に現れた岩のヒューマノイド、クロナンはすぐにソーに追い払われてしまう。クロナンは「ジャーニー・イントゥ・ミステリー」#83でソーと並んでデビューしたヴィランキャラクター。当時、ソーはオーディンにアスガルドから追放されて地球でドナルド・ブレイク医師となっており、クロナン人と出会ったことをきっかけにソーへと変身した。
エリック・セルヴィグの黒板
映画の中のセルヴィグ博士の黒板には、以下のような興味深いイースターエッグがいくつか含まれている。
「616ユニバース」の記載は、マーベル・コミックにおいて各ユニバースを区別するために番号を持っていることを参照している。マーベルの正史世界は616として知られている。
フォルトは「ウォー・オブ・キングス」#6で見られるように宇宙の裂け目で、コミックではキャンサーバースという別世界と繋がってしまった。その世界ではデス、死の実体を消すことに成功し腐敗したヒーロー達が巣くう世界。
クロスロードは他の世界への扉を持つ「インクレディブル・ハルク」#300から登場する次元の接続ポイント。多くの異なる目的地へと繋がっており、ドクター・ストレンジは害する生命体が存在しない世界へのみ移動できるよう、ハルクをクロスロードに追放したこともある。
ネクサス・オブ・オール・リアリティーズはパラレルワールドが交差する宇宙の場所で、現実と現実の間にある。いつ誰によって作成されたのか、自然に発生したのか詳細は不明。
サイモンソンの相対性理論はソーのライター/アーティストとして知られるウォルター・サイモンソンへの参照で、MCUのアインシュタインのようだ。彼は1984年の「ソー」#344で今回のメインヴィラン、マレキスを作成した。
スタン・リー
ソーを作成した我らがリーは、セルヴィグが精神病院で公演している時に靴を返すよう求める患者の1人として登場。
カース
マレキスの部下アルグリムは神秘的な石を使ってカースとなる人物だが、その容姿は黒くモンスターのような姿に変わる。しかし、変身前に着ていた赤と黄色の鎧とマスクを被った姿の方がコミックとして忠実だ。
手を無くす
MCUのフェーズ2の各映画では、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」を参考に誰かが手を切り落とされている。今回はソーが映画の中で手を切り落とされているが、それは策略だ。コミックにおいては公開後のシリーズで、マレキスによって片腕を切り落とされており、現在は義手を用いている。
ムスペルヘイム
映画の終盤にナイン・レルムスが集まり始めると、それぞれの領域が見て取れる。最も顕著なのは炎の領域であるムスペルヘイムで、スルトが支配しておりアスガルドにラグナロクをもたらす存在として知られている。当時においてもマーベルは将来的に役割を示唆させていたが、「マイティ・ソー バトルロイヤル」のオープニングシーンで実現した。
コクーン
コレクターが所有するものの中に、多くの人がアダム・ウォーロックの繭ではないかと噂されているコクーンを見ることができる。実際にそれがアダムかどうか劇中で判断することはできないが、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督は、これが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のソヴリン人が使用していた繭の初期バージョンであることを明らかにした。
コレクター
クレジットシーンでは後に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」にも登場するコレクターを初登場させている。コミックにおいては1966年の「アベンジャーズ」#28で初登場しており、様々な貴重なものを何世紀にも渡って収集している宇宙で最も古い生物の1人で、アベンジャーズをコレクションに加えようと対立した。
インフィニティ・ストーンズ
MCUにおいて「インフィニティ・ストーンズ」というフレーズが使われたのはこれが初めてで、歴史に残る瞬間だ。劇中ではエーテルが液体だと主張されていたが、ここで明確にそれがインフィニティ・ストーンズの1つであることを明言している。「アベンジャーズ」でのサノスのカメオ出演を含めて、サノスとアベンジャーズが衝突するコースをたどっていることを示す兆候だった。