Newsaramaより
映画『サンダーボルツ』の脚本家エリック・ピアソンによると、当初、主人公の敵役は全く異なる人物だったという。当初、ワイアット・ラッセル演じるジョン・ウォーカー(U.S.エージェント)が、最終版でセントリーが担った役割を演じる予定だったのだ。
ピアソンは、ジュリア・ルイス=ドレイファス演じるヴァレンティーナ・アレグレ・デ・フォンタナによるウォーカーへの操作について語っている。ヴァレンティーナはウォーカーに、スーパーソルジャー血清の効果が薄れているため、定期的な注射が必要だと信じ込ませようとした。実際には、コミックではあまり知られていない「A爆弾」と呼ばれるものをウォーカーに埋め込み、必要に応じて暴走させて巨大な怪物に変えようとしていたのだ。しかし、このアイデアはうまく機能しなかったという。
ウォーカーは2021年のDisney+シリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でMCUに初登場。キャプテン・アメリカの政府公認後任だったが、一般市民を殺害したことで失脚した。ピアソンは、ウォーカーを嫌悪すべき人物に描き、その後救われることで「自分はとんでもない奴だった」と気づくという展開も検討したが、うまくいかなかったと述べている。
そこでピアソンはコミックを再検討し、セントリーを物語に加えることを決めた。「自己肯定感と英雄的な野心対、鬱、自己嫌悪、孤立、孤独」という、登場人物たちの葛藤をすべて体現する敵役としてセントリーは理想的だったのだ。
最終的に、ルイス・プルマン演じるボブ(セントリー)が主要な敵役となり、彼のもう一つの自我であるヴォイドが、暴走したU.S.エージェントに取って代わった。映画のクライマックスでは、サンダーボルツ(あるいはニュー・アベンジャーズと呼ぶべきか)はウォーカーを含め、ヴォイドがニューヨーク市を脅かす中、彼らを救い、本物のボブを取り戻すために協力する。
このように、当初はU.S.エージェントが「A爆弾」によって制御不能な怪物になるという予定だった『サンダーボルツ』だが、脚本の変更を経て、セントリーというより複雑で魅力的な敵役が登場することになったのである。