Newsaramaより

近年、マーベル作品が大量に制作・公開された結果、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の流れを把握するのが困難になっている。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長でさえ、新作映画やドラマを見るのが「娯楽というより宿題のよう」だと同僚に漏らしたと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。これはファンにも共通の悩みで、膨大な作品群に追いつくのに苦労している人が多い。

問題なのは、作品を一つでも見逃すと、他の作品鑑賞に影響する重要な伏線やイースターエッグを見逃すリスクがある点だ。「サンダーボルツ」を理解するには、「キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー」、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」、「ブラック・ウィドウ」などのストーリーを事前に知っておく必要があるなど、作品間の繋がりは複雑さを増している。

この大量コンテンツ生産の背景には、親会社であるディズニーからのプレッシャーがあるとされる。新作マーベル映画を見るには、他の多くの映画やドラマを事前に視聴する必要があり、その全てがDisney+独占配信であるため、必然的にDisney+への加入が求められる。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、この状況がファイギ氏とそのチームの資源を圧迫し、最近の作品クオリティ低下に繋がっているとも指摘している。その結果、「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」のように、世界興行収入は製作費の倍を上回ったものの、マーベル作品としては振るわない成績に終わるケースも出ている。

しかし、マーベル・スタジオは、今年公開の「ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス」や、2026年5月公開の「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」を始めとするアベンジャーズ作品など、マーベル・フェーズ6にいくつかの大作を控えている。その他、「ワカンダの目」、「マーベル・ゾンビーズ」、「ワンダーマン」といったドラマシリーズも、年内にDisney+で配信予定だ。

このように、MCUはコンテンツ過多により、制作側の負担増加と作品クオリティの低下、そしてファンの視聴体験の複雑化という問題に直面している。今後の展開が注目される。

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