Newsaramaより
ホラー漫画界の「神」として知られる伝説の漫画家、楳図かずおが88歳で逝去されました。
「漂流教室」「わたしは真悟」「猫目小僧」「神の左手悪魔の右手」など楳図氏の代表作は、読者から絶大な人気を誇ると同時に、伊藤潤二、望月峯太郎、高橋留美子(「うる星やつら」作者)など、多くの漫画家に影響を与えたとされています。
楳図氏は1936年9月3日、和歌山県に生まれ、奈良県で育ちました。手塚治虫の『新宝島』にインスパイアされ、幼少期から漫画を描き始め、10代の終わりにプロの漫画家としてデビューしました。
当初は童話を題材にした作品を描いていましたが、やがて劇画運動と出会い、リアルな表現と画風を追求するようになりました。楳図氏は1963年に上京し、少女漫画的な美しさとホラーのイメージを融合させた独自のスタイルを確立します。代表作『猫目小僧』や大蛇の女性を描いた『レプティリア』は、少女フレンドで連載され、大きな人気を博しました。
1960年代の終わり頃から、楳図氏は少年漫画誌に作品を発表し始めます。傑作『漂流教室』は、学校の教室が災害後の未来に飛ばされるという壮大な物語で、週刊少年サンデーで1972年から1974年にかけて連載され、その恐ろしい核のテーマが世代の読者の心に深く刻まれました。この作品は、『ハウス』で知られる大林宣彦監督による映画や、2002年には『長い長いラブレター』というタイトルのテレビドラマにもなっています。
ホラー漫画で名を馳せた楳図氏ですが、コメディやSF漫画にも才能を発揮し、1982年から1986年にかけてビッグコミックスピリッツで連載した「まことちゃん」や「わたしは真悟」などの作品もヒットしました。これらの作品は後に、権威あるアングレーム国際漫画祭で表彰されています。