映画「モービウス」の監督ダニエル・エスピノーサは、ジャレッド・レト演じるリビング・ヴァンパイアが実際にはヴィランではない理由を説明した。
エスピノーサはソニー・ピクチャーズの声明の中で、「モービウスは善、つまり病気の治療法を探している。彼は自分自身や社会への代償を顧みず、それを見つけようとしている。そして、善を求めるあまり、彼は自分の嫌いなものに変身してしまう。彼は自分の中にある醜さを受け入れなければならないし、その醜さには美しいものがある。それが彼の強さになり、彼をユニークな存在にしている。」と述べている。
さらにエスピノーサは、モービウスの二面性が観客を惹きつけるのだと説明した。エスピノーサは「マイケル・モービウスは、マーベル・ユニバースの中で最も利他的なキャラクターの1人だ。彼は善を本当に信じている数少ない人物の1人。この善良な男が恐ろしい病気にかかり、自分自身と彼が大切に思っている人々を救おうとするあまり、彼は怪物に変身してしまう。」と述べている。
モービウスはヴィランではないかもしれないが、エスピノーサによると、彼は決して伝統的なスーパーヒーローの物語を持っていないという。「モービウスは自分の内なる獣を発見したとき、それを恐れるようになり、自分の力も恐れるようになる。そして、その力が自分を支配し変えてしまうことを恐れ、常に抵抗している。ヒーローになるためには、自分の運命を受け入れなければならない。モービウスの旅は、自分が自分であることに変わりはないが、この力を利用しなければならないことを受け入れること。」と述べている。
天才的な頭脳を持つ医師マイケル・モービウス。彼は幼いころから、治療の術がない血液の難病を患っていた。これまで多くの命を救いながらも、己の病を治癒する方法だけを見出せずにいたモービウスは、自らの身体に実験的な治療を施す。それはコウモリの血清を投与するという、危険すぎる治療法だった。そのまま姿を消したモービウスは、2か月後、ロングアイランド沖に座礁したコンテナ船に突如現れる。病で痩せ細った姿から一変、顔には血色が戻り、隆起した筋肉が全身を覆っていた。さらに、超人的パワーとスピード、そして周囲の状況を瞬時に感知するバットレーダーや飛行能力を手にしたモービウスだが、同時に彼の中で、抑えきれない〝血への渇望“が生まれる。やがて彼の身体に更なる変異が起こる……
このユニバースに生まれ堕ちた彼は、果たして善なのか、悪なのか──
映画「モービウス」は2022年4月1日より公開予定。出演:ジャレッド・レト、マット・スミス、アドリア・アルホナ、ジャレッド・ハリス、アル・マドリガル、タイリース・ギブソン、監督:ダニエル・エスピノーサ、脚本:マット・サザマ、バーク・シャープレス、配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント