Newsaramaより

DCコミックスの「Absolute Universe」は、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、グリーンランタン、フラッシュなど、多くの大人気ヒーローを新たな解釈で再構築しています。しかし、中でも最も変革的な作品は、デニズ・キャンプ(脚本)、ハビエル・ロドリゲス(作画)、ハッサン・オツマン=エルハウ(レタリング)による「Absolute Martian Manhunter(絶対火星人ハンター)」です。

本作は、同名キャラクターを大胆でサイケデリックなアプローチで描き、DCコミックスの中でも最も古いヒーローの一人である火星人ハンターの概念を完全に刷新しています。それは、DCの「Absolute」ラインの最大の成功例と言えるでしょう。「Absolute Martian Manhunter」第2号の発売を控え、このコミックがDCに秘めた芸術的可能性に、私は非常に興奮しています。

DCの「Absolute」シリーズのリブート作品は、ヒーローたちを大胆に解釈したものが多くありますが、基本的にはおなじみの設定に基づいています。例えば、「死んだ星から来た最後の生き残り」「人間と神話上の怪物たちの間に立つ唯一の戦士」「街の腐敗を一掃するため、肉体と精神を鍛えるトラウマを抱えた男」といった具合です。

しかし、「Absolute Martian Manhunter」は、ヒーローの再構築をさらに一歩進めています。1955年の初登場以来の古典的なイメージとは全く異なる、より異質な存在として火星人ハンターを描いているのです。

「Absolute Universe」において、火星人ハンターは厳密には「火星人」ではありません。地球から非常に遠く離れた、別の次元と言ってもいいほどの惑星から来た非物質的存在で、虹色のサイケデリックな煙でコミュニケーションを取ります。

この存在は、生死をさまよう経験をした警官ジョン・ジョーンズと精神的に結びつき、不可分な関係になります。「火星人」は予知能力を使ってジョーンズを悲劇から救おうとしますが、ジョーンズは目の前で展開するありえない光景を理解しようとします。

ハビエル・ロドリゲスによる作画は、素晴らしく、下書きから彩色まで一人で担当するという珍しい試みです。彼は、シルバーエイジの懐かしい雰囲気を醸し出す確かなコミックスタイルを基盤としながらも、色彩の波と暴力的な場面でサイケデリックな空間へと突入させ、キャラクターと読者双方を心地よさから解き放ちます。


created by Rinker
小学館集英社プロダクション
¥3,850 (2025/05/12 15:56:37時点 Amazon調べ-詳細)