公開中の映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」ではマーベル・コミックスに関連した要素や参照が多く存在している。ここで最も興味深い25個のイースターエッグについて紹介していく。

以下、映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のネタバレを含むので注意してください。

 

 

 

 

 

  

 

 

25.サンドマン

映画の最初にニック・フューリーとマリア・ヒルは、メキシコでエレメンタルズが起こした嵐の被害現場を訪れる。そこで二人は地のエレメンタルズと遭遇し、ヒーローのクエンティン・ベックと出会う。この地のエレメンタルズは砂を集めたような姿をしており、映画「スパイダーマン3」にも登場したサンドマンがベースであることはファンには知られていること。コミックではサンドマンことウィリアム・ベイカーは犯罪者で、刑務所から脱走して原子力実験中の試験所に逃げ込んだ結果、実験の影響によって体が砂に変わり自在に操る能力を得た。

24.メイおばさんのホームレス援助

映画でメイおばさんはホームレスの募金活動を行い、スパイダーマンとしてピーターにも手伝ってもらっていた。メイおばさんはホームレスの援助をよく行っており、コミックでもブラン・ニュー・デイズ時の「アメイジング・スパイダーマン」#552でホームレスシェルターでボランティアを行っている。PS4版「Marvel’s Spider-Man」でもこの設定を取り入れている。

23.クラッシャー・ホーガン

スパイダーマンの最初期の敵であるクラッシャー・ホーガンは、MCUでも存在している。コミックではピーター・パーカーが能力を得てすぐに力を試すため、クラッシャー・ホーガンと対戦して3分間リング上にいれたら100ドルというレスリングゲームに参加。ピーターは彼を倒し、それを見たテレビプロデューサーの誘いでテレビ出演しスターとなっていく。この対戦したクラッシャー・ホーガンのポスターが、同じ内容で登場している。メイおばさんによるホームレスの募金活動の時に現れたハッピーの後ろに、そのポスターは存在している。

22.アイアン・スパイダーと記者

映画においてスパイダーマンがメイおばさんの募金活動に協力して出席した時、彼は記者に囲まれて「次のアイアンマンとなるのか?」「アベンジャーズのリーダーなのか?」等様々な質問をされ戸惑いを隠せなかった。コミックでは厳密にはアイアン・スパイダーを着てはいなかったが、アイアン・スパイダーをトニーからもらい着ていたシビル・ウォー時に、彼はスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであると報道陣の前で明かした。

21.ピーター・ティングル(ピータームズムズ)

スパイダーマンの能力として有名なものの1つは、危険を察知する能力であるスパイダーセンスである。MCUにおいてはこれまで明確な言及はされてこず、「インフィニティ・ウォー」でその片鱗を垣間見せる程度だった。今回の映画ではスパイダーセンスに独自の名前が与えられ、「ピーター・ティングル(ピータームズムズ)」とメイおばさんに呼ばれていた。スパイダーセンスは危険を知らせることはできるが、どんな危険が迫ってくるのかはわからない。しかし、映画の終盤でこの「ピーター・ティングル(ピータームズムズ)」は重要な役割を果たすこととなった。

20.ネッドとベティ

映画においてネッドとベティは偶然席を入れ替えられた結果、意気投合し、およそ9時間で恋愛関係に発展した。コミックにおいてもネッド・リーズとベティ・ブラントは恋愛関係にあった。ネッドとベティは同じデイリー・ビューグルで働いており、後に彼らは結婚した。しかし、ネッドは洗脳されてホブゴブリンにさせられたり、最終的には暗殺され死亡した。MCUのネッドはガンケ・リーをベースとしているため、これらの悲劇は起こらないままひと夏の恋は終わった。

19.ハイドロマン

ピーター達がヴェネツィアを訪れていた時に水のエレメンタルが現れ、ピーターは水の敵に対して苦戦した。このエレメンタルはコミックにおけるハイドロマンをベースとしており、貨物船の乗組員だったモリー・ベンチがスパイダーマンとネイモアの戦いに巻き込まれ海に落ち、水中実験の影響で体を水に変える能力を得た。この設定は映画でもフラッシュが言及しているが、MJにネットのフェイク情報だと信じてもらえなかった。

18.アース616とアース833

ピーターがニック・フューリーに接触された後、彼はヴェネツィアで共に戦ったクエンティン・ベックと出会う。彼は別の世界アース833から、ピーター達の世界アース616に来たと言及した。アース616はもちろんコミックにおける正史世界の番号であり、MCUおける正史世界としてこのナンバーが使われたようだ。コミックにおけるアース833はスパイダーUKの世界であるが、インカージョンによって消滅してしまった。原因は違えど地球が滅ぼされたという点では共通している。

17.エレメンタルズ

映画のヴィランとして登場している4元素を司るエレメンタルズは、コミックのスパイダーマンに登場するヴィラン達をベースとしている。しかし、これらのキャラクターとは別に、エレメンタルズというチーム自体はコミックにも登場している。エレメンタルズは「スーパーナチュラル・スリラー」#8で初登場し、ヘルファイアが火、ハイドロンが水、マグナムが地、ゼファーが風を操るヴィランチームだった。超次元のヒューマノイドであり、後にミズ・マーベル時代のキャロル・ダンバースと戦った。ダークレイン時には彼らを研究するノーマン・オズボーンによって、異星人である可能が推測されている。

16.トニーからのサングラス

ピーターはフューリーからトニーの形見を渡されるが、結局はフューリーの協力要請を拒否し旅行に戻った。しかし、フューリーによって旅行の計画は完全に操作され始め、エレメンタルズが現れるプラハに行くこととなった。ピーターはその道中でトニーの形見の中身を見て、そのサングラスに人工知能イーディスがいることを知る。このサングラスはもちろんトニーが映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の序盤でかけていたサングラスである。

15.ステルススーツ

スパイダーマンであることがばれることを危惧したピーターに、フューリーは新たなスーツを渡した。それは暗闇に紛れるステルススーツとして機能する真っ黒なスーツだった。コミックでもステルススーツは存在し、黒に赤いネオンが光るデザインとなっていた。ピーターはホブゴブリンと戦うためにこのスーツを作成し、消音機能や周囲の光を歪めて見えなくする機能もあった。後にスカーレッド・スパイダーが用いるようになったり、新たなステルススーツが作られている。

14.モルテンマン

ミステリオとスパイダーマンはプラハで火のエレメンタルと対峙するが、金属を吸収してパワーが増大していき苦戦を強いられた。火のエレメンタルはモルテンマンがベースとなっており、マーク・ラクストンはスペンサー・スマイス博士の助手として新たな液体金属の研究を行っていた。彼はそれを売って金にしようと盗もうとしてもみ合いになり、彼はその液体金属を自身にこぼしてしまい、皮膚がそれを吸収して超人的な身体能力と熱を発する力を得た。またマーク・ラクストンはリズ・アランの義理の兄でもある。

13.ミステリオの緑コスチューム

クエンティン・ベックはエレメンタルズをすべて倒した後、ピーターと話し、ベックがアイアンマンの後継者であるべきだとイーディスを渡された。これこそがクエンティンの計画であり、彼は精巧なホログラムによってミステリオというヒーローをでっちあげ、ヒーローとして世界に名を馳せようとしていた人物だった。彼は自身のスーツを脱いで全身緑の状態となるが、コミックではこちらの姿の方がなじみ深い。コミックでのミステリオは映画のような鎧はなく、全身緑に紫のマントを着る姿が基本的なコスチュームであるためより近いものとなっている。

12.アイアンマンとの繋がり

ミステリオの技術は映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でトニーがプレゼンしたB.A.R.F.を生み出した物であり、ドローンの技術などは映画「アイアンマン」でオバディアに叱責されていた科学者であったことが明かされた。元スターク・インダスタリーズの従業員等のような表に出てこない天才達は結託し、自分たちが作り上げた「ヒーロー」として世界に認められようと暗躍していた。

11.ミステリオの力

映画においてミステリオはホログラフィックとドローンを用いてリアルな映像と、物理的ダメージを表現してスパイダーマンを苦しめた。それはイーディスを手に入れたことで更に強大になり、スパイダーマンは為すすべなく電車にひかれた。コミックにおいても同じような能力であるが、彼は元々映画スタントマンで特殊効果のデザインを手掛けていた。スターになりたいという願望から彼は特殊効果を用いてスパイダーマンの名を貶めて、そのスパイダーマンを倒すことで名を馳せようとした。彼の能力は時に最悪の結果を生み出すことにもなり、別世界のストーリーではウルヴァリンに幻影を見させてX-MEN全員を殺させた。

10.Back In Black

ミステリオに敗れ留置所から逃れたピーターは、ハッピーに連絡を取って救援に来てもらった。ピーターはスーパーヒーローとしてミステリオに立ち向かう決心をし、新たなスーツの作成に着手した。この時にハッピーが流した音楽はAC/DCの「Back In Black」で、映画「アイアンマン」でも使用されているファンには聴き馴染みの曲だ。そのタイトルはある意味でコスチュームの黒にも言及しているのかもしれない。スパイダーマンのストーリーでも「Back In Black」が存在し、シビル・ウォー後に彼はブラックコスチュームを再び着用し、復讐と彼の怒りを示すものとなっている。

9.赤と黒のコスチューム

ピーターは新たなスーツに様々な機能を複合させ、新たな配色として赤と黒を選択する。コミックにおいても赤と黒の組み合わせのコスチュームはいくつか登場している。最も近しいスーツで言えば、ドクター・オクトパスがピーターの体を乗っ取りスパイダーマンとして活動していた頃の「スーペリア・スパイダーマン」のスーツだろう。ピーターのクローンであるベン・ライリーのスパイダーマンスーツもボディのクモが黒色で、ケインも赤と黒のコスチュームである。別世界のスパイダーマンで言えばマイルズ・モラレスが黒をメインとした黒赤のコスチュームである。

8.ミステリオと橋

ミステリオとの最終決戦はロンドンのタワー・ブリッジが舞台となり、合体された巨大なエレメンタルズを映すドローンと戦った。コミックにおいてもミステリオとスパイダーマンが最初に戦った場所はニューヨークのブルックリン橋で、スパイダーマンはミステリオに成すすべなくイースト川に落ちた。

7.盾とハンマー

スパイダーマンはミステリオのドローンとの戦いで、その数に苦戦を強いられウェブを使い切ってしまう。そこで彼は破壊されたドローンの武器を使い、落ちていたタワー・ブリッジの看板を拾い上げて盾にした。これはもちろん映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」のキャプテン・アメリカを彷彿とさせる姿であり、彼はアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーからヒーローとしての意志を受け継いでいると言える。ハッピーも盾の骨董品をドローンに投げつけるが、いかにキャップが偉大なのか再認識することとなった。

6.スパイダーマンとミステリオの戦い

スパイダーマンとミステリオの最終決戦で、ミステリオはスパイダーマンにホログラムによる幻影を見せて攻撃するが、スパイダーマンはピータームズムズ(スパイダーセンス)を用いて勝利する。これはアニメ「スペクタキュラー・スパイダーマン」でのミステリオとの戦いを彷彿とさせ、アニメでもスパイダーマンはミステリオの幻覚をスパイダーセンスで突破している。また同ミステリオの回では幻覚でスパイダーマンに電車を通過させるシーンが存在し、映画では本物の電車にひかれてしまった。

5.自らの武器で死ぬ

映画ではクエンティン・ベックが仲間の警告を無視して、自身に近い場所でドローンを使った。スパイダーマンとの戦いの中でドローンの銃撃を自身に受け、結果クエンティン・ベックは死亡した。自分の武器で死ぬのはスパイダーヴィランの宿命かもしれない。サム・ライミ版の映画「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリンは自身のグライダーで串刺しになって死亡し、映画「スパイダーマン2」ではドクター・オクトパスが自身の核融合の実験を破壊して共に沈み、映画「スパイダーマン3」ではニュー・ゴブリンことハリーが自身のボードでヴェノムに殺されている。

4. J・ジョナ・ジェイムソン はどこだってJ・K・シモンズ

ミッドクレジットシーンではスパイダーマンとMJのスウィングの後、この事件の結果が明らかとなる。クエンティン・ベックは死ぬ前にデイリー・ビューグルへスパイダーマンが悪であるという偽情報を流し、ピーター・パーカーがスパイダーマンであると明かしてしまう。この情報を公開したのはもちろんデイリー・ビューグルのJ・ジョナ・ジェイムソンである。彼は別世界であるサム・ライミ版映画「スパイダーマン」シリーズのJ・ジョナ・ジェイムソンと瓜二つで、J・ジョナ・ジェイムソンはどの世界でもJ・K・シモンズの姿なのだろう。

3.明かされた正体

ミッドクレジットシーンでスパイダーマンがピーター・パーカーであることが暴露されてしまったが、前述の通りコミックにおいてもスパイダーマンの正体を明かしたことがあった。結局、彼が正体を明かしたことで、ピーターの回りの人間がヴィランから狙われることとなり、逃亡生活を強いられかなり危険な状態に陥った。最後は瀕死のメイおばさんを救うためにピーターとMJはメフィストと契約し、二人の結婚や様々な出来事が改変されてピーターの正体も世間に明かされていない状態となった。今後のMCU世界ではどのようなスパイダーマンの苦難が描かれるのか。

2.スクラルのタロス

最後のクレジットシーンでは、ファンでも予想していなかったであろうニック・フューリーまでもが偽物だったという事実。ニック・フューリーに成り済ましていたのは映画「キャプテン・マーベル」に登場したフェイスシフト能力を持つスクラル人のタロス夫妻。彼は「キャプテン・マーベル」でニック・フューリーと協力関係になっており、言動が怪しかった点やフューリーとして少しレベルが低かった理由が判明した。

1.ニック・フューリーと宇宙

最後のクレジットシーンで地球にいたニック・フューリーはスクラル人のタロスで、フューリーはスクラル人達と共に宇宙船に乗っている事が明かされた。コミックにおいて、フューリーは宇宙からの脅威から地球を守るべく、密かに彼は先手を打つ形で脅威を取り除いてきた。そのブラックオプス任務の実態は「オリジナル・シン」で明かされ、最後に彼は新たなウォッチャー、アンシーンとなった。映画では一体どんな理由で宇宙にいるのか、今後の映画で明かされるかもしれない。

0.スタン・リーのカメオはない

今回の映画にはスタン・リーのカメオ出演はない。スタン・リーは2018年の11月12日に亡くなっており、映画「エンドゲーム」までのカメオ出演は事前に収録されていた。しかし、監督ジョン・ワッツによると、映画の撮影時期にはスタン・リーがすでに病気であることは知られており、「エンドゲーム」のカメオ撮影がされた後だった。監督はカメオ出演の最後が「エンドゲーム」であるのが正しいと感じ、カメオ出演自体の話しをしなかったと明かしている。

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