ComingSoon.netより

マーベル・シネマティック・ユニバースはそれまでの集大成となる映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」を1年前に公開し、映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にてヒーローの遺産と継承が描かれ、今年新たなフェーズへと突入する。

そんなMUC作品には多くの参照やイースターエッグが含まれており、それは後々に繋がったり、監督達曰くいまだに発掘されていないものもあるという。そんなMCUの歴史を振り返る意味も含めて、過去の作品のイースターエッグを紹介していく。今回の作品はMCU第17作目「マイティ・ソー バトルロイヤル」。

以下、映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」のネタバレを含むため注意してください。

スルトと永久なる炎

映画の冒頭でソーはインフィニティ・ストーンズを探る中で、ラグナロクの兆候を知り調査していたことを明かす。そして、ラグナロクをもたらすスルトの下へと赴いたが、映画でスルトの動機や性質を知る機会は少ない。コミックでは彼の力の鍵は巨大な炎の剣トワイライト・ソードであり、武器を「永久なる炎」へ戻すことに意味がある。当時のアスガルドの王ボーの3人の息子は世界樹の制御を確立する一環として、ムスペルヘイムでスルトを倒し彼の力の源「永久なる炎」を持ち出した。その戦いによってオーディン以外が死亡し、オーディン・フォースが形成されることとなった。

スカージのアサルトライフル

ソーがアスガルドへ戻る前にスカージはお気に入りの武器として、2つのアサルトライフルを紹介している。それは彼が最後の戦いでも見ることができるが、これはコミックからの参照である。彼は基本的に斧を用いて戦うが、ソー達と協力してヘラに捕らわれた魂を救出するための戦いにおいて、死者の大群から皆を守るためにM16アサルトライフルを使って橋を守り死亡した。「ソー」#362でのこのシーンは映画の終盤で再現されている。

演劇の俳優たち

ソーがアスガルドに戻るとそこではロキの英雄的死を描く演劇が行われており、そのステージにはロキのトレードマークである角がある。更に偽の演劇を演じるのは映画界でも知られる俳優たちで、ソーを演じるのは本物のソーを演じるクリス・ヘムズワースの兄ルーク・ヘムズワース。ロキを演じるのはもちろんマット・デイモン。オーディンを演じるのはベテラン俳優サム・ニール。

フロッグ・オブ・サンダー

演劇でロキによってソーがカエルに変えられたことが言及されたが、これはコミックで実際に起こったことで、「ソー」#364でロキはソーをカエルに変える呪文を唱えた。カエルになったソーはムジョルニアを手に入れフロッグ・オブ・サンダー、ソーへと変身しスロッグと呼ばれた。更にロキが蛇に変身してソーの前に現れたという過去の話しが言及されたが、コミックでもロキは度々蛇に変身してヘイムダルの目を掻い潜ってビフレストを渡っている。

ソーの強迫戦術

オーディンを装っていたロキを脅迫するためにソーは彼の首を持ち、ムジョルニアを戻すようにした。これはコミックでも行われた脅迫で、「ソー」#359でのロキとの戦いで行われそのプロセスは同様のもの。

ムジョルニアの偽装

ソーはロキと共にオーディンを探しに地球へやってくるが、彼らは目立たないように周囲と馴染む服装に偽装し、ムジョルニアを傘にしている。この偽装はコミックからの参照であり、ソーはオーディンに地球へ送られドナルド・ブレイクと同化しており、彼はクロナン人と遭遇した時に木の杖となっていたムジョルニアを発見した。彼が杖を地面に叩きつけると彼はソーへと変貌し、映画でもそれを再現している。

ドクター・ストレンジ

以前の映画で示唆されていたベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが再び登場し、ソーサラー・スプリームとして彼の役割を有効に適応して登場している。彼はあらゆる脅威に対処する魔術師としてロキを察知し、ソー達をオーディンの下へ導いた。

ひざまずけ

オーディンが消え、投獄されていた姉ヘラが現れると、彼女はソー達に「ひざまずけ」と要求する。ロキはこの言葉に反抗的に反応するが、「ひざまずけ」は映画「アベンジャーズ」で彼自身が人々に要求した。

ヴァルキリーの船

タイカ・ワイティティ監督はニュージーランド出身で、映画に登場する多くの船は先住民の国旗のカラーリングが用いられている。ヴァルキリーの船ウォーソングは赤、白、黒の配色となっており、それはマオリ族の旗となっている。ちなみにソー達が脱出するのに用いる船はコモドールという名でオーストラリアのアボリジニの旗の配色。また船の名前のほとんどはオーストラリアにあった自動車会社ホールデンの車種から取られている。

チャンピオン達

グランドマスターの持つ塔に建築されている歴代チャンピオンの顔の像は、多くのイースターエッグであふれている。ムジョルニアにふさわしい戦士のエイリアンであるベータレイ・ビル、ギリシャ神話の軍神アレス、沼地のヒーローのマンシング、二つの頭を持つアンドロイドヴィランのバイビースト、不死の者として異次元に住むハルクの敵ダーククローラーである。

惑星サカール

サカールは、コミックではイルミナティによって宇宙へ追放されたハルクが不時着した惑星で、彼はそこで映画同様グラディエーターにさせられた後、惑星を支配していたレッドキングに反旗した。強制的にグラディエーターにさせられていたエイリアン達と団結してレッドキングを倒し、ハルクはサカールの新たな王として平和をもたらした。しかし、イルミナティが彼を追放した時に乗っていた船が爆発して、妻を含む多くの人々が死亡し、彼はイルミナティへの復讐を誓って地球へ襲来した。

オリジナル

グランドマスターとサカールの説明の際に、彼はオリジナルで最初に迷い込み、最初に見つけたと話されている。コミックではグランドマスターは、ビッグバン前の宇宙生物の生き残りエルダーズ・オブ・ザ・ユニバースの1人で、エルダーズはそれぞれの種の最後の生存者であり、宇宙が作成された激変事件「ビッグバン」の直後に進化した。そのため年齢不詳。またコミックでの青い肌の名残として顎に青いラインがある。

コンテスト・オブ・チャンピオンズ

日本語ではバトルロイヤルとなっているが、英語名のコンテスト・オブ・チャンピオンズは1982年に発売されたミニシリーズ「コンテスト・オブ・チャンピオンズ」に由来し、グランドマスターが死んだコレクターを取り戻そうとデスと行ったゲーム名で、ヒーロー達を駒とした。最近ではスマホゲーム(日本名:MARVEL オールスターバトル)やゲームから着想されたコミックシリーズもある。

スクラッパー142

バルキリーは賞金稼ぎとしてグランドマスターのために働く時、ヴァルキリーという名前を捨てスクラッパー142と名乗った。コミックでは「アベンジャーズ」#83においてバルキリーは女戦士としてデビューするが、それはエンチャントレスが偽装していたものだった。その後、本当のバルキリーが「インクレディブル・ハルク」#142で初登場したことに由来する。

グランドマスターの従兄弟カルロ

グランドマスターの従兄弟で反逆罪として溶かされた男の名はカルロだと明かされたが、彼の名は映画に適応されているコミックのストーリー「プラネット・ハルク」のアートを担当したカルロ・パグラヤンから引用している。

コーグとミーク

サカールでグラディエーターとなっているコーグとミークが、コミックの「プラネット・ハルク」からMCUに登場している。コーグは監督タイカ・ワイティティが演じており、コミックではソーが地球に追放されて初めて対峙したクロナンの1人だったと後に明かされた。その後、サカールにたどり着いてハルクのチーム、ウォーバウンドのメンバーとなった。

ミークはより小い虫型の生物で外骨格を装備しているが、コミックでは人間大で映画よりも人間に近い昆虫の姿をしている。実は前述のハルクの船の爆発はレッドキングの忠誠者たちが仕掛けたもので、イルミナティは関係なく、それを知りながらもハルクが戦い続けることを望んで黙っていた。後にハルクとの戦いに敗北し死を選んだ。

偽物

最初の映画「マイティ・ソー」でオーディンの宝物庫にあった右手のインフィニティ・ガントレットは、長年ファンの間で憶測を呼んでいたが、この映画で明確に偽物であると言及された。インフィニティ・ガントレットを作り出すニダベリアのドワーフたちはアスガルドと関りがあり、誰かに本物を作らせないためにも陽動で置かれていた可能性がある。

フェンリスウルフ

映画ではヘラが大きな狼の姿をしたフェンリスウルフを蘇らせるが、フェンリスは彼女の僕のように機能している。コミックから多くの血縁関係が変更されているが、ヘラとフェンリスは兄弟姉妹であり、父親は共にロキである。もちろんフェンリスは知能を有していて話すことができ、体のサイズを変更したり人間の姿にもなれる。

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

ソーに勧めたフォーク状の武器について、コーグは「3人の吸血鬼が集まっていない」限り役に立たないと話している。それはワイティティが共同監督として行った「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(原題:ゼイ・アー・ノット・イン・ザ・シャドウズ・エ二ー・モア)」への言及である。この作品においてもワイティティ監督自身が主演として出演している。映画は吸血鬼たちがシェアハウスをしながら現代社会での日常を描くコメディ。

スタン・リー

我らがスタン・リーのカメオ出演は、ソーの髪を切るという大役だった。リーはソーを筆頭にロキや、ヘラ、スルトといった北欧神話の人々をマーベル・ユニバースに適応してキャラクターにした。

ソーのヘルメット

コミックにおけるソーのヘルメットはメジャーな装備だが、映画では珍しく、最初の映画以来となる。翼を模したヘルメットと類似する形状であり、初めて装着したまま戦闘を行った。

ディフェンディング

グランドマスターのハルクを紹介するワードで「ディフェンディング」と呼ばれているが、敏感なコミックファンはハルクが結成メンバーでストレンジやネイモアとのチーム、ディフェンダーズを連想する。

インクレディブル

グランドマスターによる紹介で「インクレディブル(驚くべき)・ハルク」と紹介されるが、これはハルクを示す形容詞としてよく用いられる言葉。ハルクの初登場はもちろん「インクレディブル・ハルク」#1で、日本ではドラマの影響から「超人ハルク」と訳されることもある。

カービーの背景

グランドマスターとロキが座る部屋の壁紙には、リーと共にソーやハルクを創出したジャック・カービーのアートが描かれている。用いられているアートは「ファンタスティック・フォー」#64のもので、ファンタスティック・フォーはクリーのロボット、セントリー459と対峙した。

「もう日が沈む」

ソーはハルクに「大男さん、もう日が沈む」と言葉をかけ落ち着かせようとするが、これは皆が知るように「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でナターシャがハルクを落ち着かせるために用いる言葉。ソーはナターシャに似せて優しく声をかけるが・・・

チョロい神だ

ハルクはソーを持って地面に叩きつけ、これにロキが歓喜している。映画「アベンジャーズ」の最終決戦中にロキがハルクにやられたもので、同じことがソーにも行われたため思わず喜んだ。

ハルクの新たな服装

ハルクの部屋で目覚めたソーはハルクの裸や彼の新しい服装を見ることとなる。彼はチャンピオンの証としてビーズのネックレスを着用しているが、これはコミックでも見たことがある姿。アルティメット・ユニバースのミニシリーズ「アルティメット・ウルヴァリン VS ハルク」での姿と同じもので、このシリーズではウルヴァリンを上下に引きちぎったことでも知られている。

「ポイント・ブレイク」

ソーがクインジェットで脱出しようとアクセスのための言葉を探すが、認証された「サーファー君(ポイント・ブレイク)」は最初の「アベンジャーズ」で、トニーがソーの長い髪の毛から呼んだワードだった。「ポイント・ブレイク(映画「ハートブルー」の原題)」は潜入捜査官として長髪のボディがサーファーに成りすますというストーリーである。

他のバルキリー

テッサ・トンプソンが演じたバルキリーはマーベル・コミックスのキャラクターとは意図的に異なる者として登場した。コミック同様、他のバルキリーがいることが確立されており、バルキリーのフラッシュバックで我々がよく知る容姿のバルキリーが登場した。最も知られているのはブリュンヒルデのバルキリーだが、最近は虐殺されたバルキリー達に代わり、ジェーン・フォスターが新たなバルキリーとなっている。

「彼女の名前はリオ」

ハルクとして2年間生活した後、最終的にブルース・バナーに戻り服が必要だった。ソーはクインジェットにあったトニーの服を彼に渡したが、そのTシャツには1982年のデュラン・デュランによるアルバム「リオ」のカバーが描かれていた。アルバムには「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」が収録されており、その後に起きるハルクとフェンリスウルフの戦いに言及している。

トータリーオウサム・ハルク

これまでバナーとハルクの関係は二人ともハンドルを握っていたが、バナーはトランクに閉じ込められている状態と話していた。これは「プラネット・ハルク」も務めたライターのグレッグ・パックによるシリーズ「トータリーオウサム・ハルク」のページで表現されたもの。アマデウス・チョはバナーと違ってハルクの人格をどうコントロールしていたか話し、それが車の運転を用いたイメージで、ハルクが車のコントロールを奪ったことも明かされた。

リベンジャーズ

ソーはサカールから脱出するためのチームとして、リベンジャーズという名前を用いるが、コミックでもリベンジャーズは存在する。死が消され腐敗した世界アース10011の悪夢のようなアベンジャーズがリベンジャーズを名乗り、その中にはソーもいた。正史世界ではワンダーマンの下で結成されたチームがあり、多くの事件をもたらしたアベンジャーズに幻滅し、地球に及ぼす害の原因として両チームは戦った。

ドラゴンファング

ヴァルキリーの有名な剣ドラゴンファングはその名の通りドラゴンの歯から作られているが、面白いことにコミックではアスガルドの武器ではない。それは映画にも登場したドクター・ストレンジの宝庫にあった武器であり、「ディフェンダーズ」誌でそれは彼女に与えられた。

ザンダーで燃料補給

バルキリーはサカールからアスガルドに戻るには「ザンダーで燃料補給」を行って、18ヶ月かけて戻る必要があると予測している。もちろん惑星ザンダーは映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場した惑星で、ノヴァ達が守護を務めていることで知られる。映画内で実際に訪れることはなく彼らは「悪魔の肛門」を抜けていった。

ゴッド・キラー

映画へのヘラの変更点は多く、彼女がオーディンの娘であったり(これは最近、オーディンの娘であることが明かされたアンジェラのストーリーに適応している)、彼女の剣も含まれる。監督はこれがコミックでのネクロソードを基にしていることを確認しており、剣はすべての神を滅ぼそうとしたゴアが使用した古代の武器「オールブラック・ザ・ネクロソード」である。最近、ソーはゴアが実際に正しかったことを知って、ムジョルニアの資格を失っている。後に剣の起源が闇から生まれたシンビオートの神ヌルが作り出した最初のシンビオートであることが明かされた。

ハルクの傷

映画「インクレディブル・ハルク」ではエドワード・ノートンがハルクを演じており、マーク・ラファロが「アベンジャーズ」で役割を引き継いだ。それでも、彼らはハルクのソロ映画で行われた重要な詳細を無視せずに残している。「マイティ・ソー バトルロイヤル」の視覚効果チームは、ハルクが「インクレディブル・ハルク」の時にアボミネーションから受けた傷痕を残した。

アスガルドは場所ではない、民だ

映画では最終的にラグナロクが引き起こされ、スルトによってアスガルドは破壊された。コミックにおいてもラグナロクがもたらされてアスガルドは消えたが、ソーが地球で再び現れるとオクラホマ州のブロックストンにアスガルドの首都を築いた。そのアスガルドもヴォイドによって破壊され、トニー・スタークが新型リパルサー技術で作ったアスガルディアで宇宙に移転した。最近そのアスガルディアもマンゴッグによって破壊され、再建され始めていたオールド・アスガルドに戻り本格的に再建を開始した。

サノスがやってくる

映画のクレジットシーンにおいて、ソー達の船ステイツマンの前に1隻の船がやってくる。これはサノスの巨大戦艦サンクチュアリⅡで、映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の冒頭へ直接つながる。

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