マーベル・シネマティック・ユニバースはそれまでの集大成となる映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」を1年前に公開し、映画「スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム」にてヒーローの遺産と継承が描かれ、今年新たなフェーズへと突入する。
そんなMUC作品には多くの参照やイースターエッグが含まれており、それは後々に繋がったり、監督達曰くいまだに発掘されていないものもあるという。そんなMCUの歴史を振り返る意味も含めて、過去の作品のイースターエッグを紹介していく。今回の作品はMCU第20作目「アントマン&ワスプ」。
以下、映画「アントマン&ワスプ」のネタバレを含むため注意してください。
マイクロバース
マーベルの様々なライセンス契約によって奇妙な副作用が発生する。そのひとつ1は「ファンタスティック・フォー」でも知られる小さな世界マイクロバースで、おもちゃの製品を題材としたコミック「マイクロノーツ」で初めてマイクロバースと呼ばれた。しかし、マーベルはマイクロノーツの権利を失い、映画では「クアンタム・レルム（量子世界）」と呼ばなければならなくなった。それは基本的にマイクロバースであり、感覚が存在してジャネットが生きている場所。
Xコン・セキュリティ・コンサルタント
映画ではスコット・ラングは有罪判決を受けており、司法取引で軟禁状態の中、ルイス達と「X-コン・セキュリティ・コンサルタント」というセキュリティ会社を立ち上げている。ニック・スペンサーが担当していた最近のコミックでも、ラングはマイアミへ移ってセキュリティ会社「アントマン・セキュリティ・ソリューションズ」を設立した。おそらくMCU内ではソコヴィア協定に反したアントマンの名が、会社で使用するほど人気がないと思われる。
ジミー・ウー
映画ではラングを監視するFBI捜査官だが、彼の前職はS.H.I.E.L.D.エージェントで、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」シーズン2の第4エピソードでその名前が登場している。コミックにおいては1956年のマーベルの前身アトラス・コミックスのシリーズ「イエロー・クロー」で初登場し、秘密工作員だったが父の素性を知って反旗し、後にS.H.I.E.L.D.エージェントに参加したりやエージェント・オブ・アトラスを組織した。
アダム&ジ・アンツ
最初の映画「アントマン」ではアダム&ジ・アンツの曲「アント・ミュージック」が使われた。続編である今回の映画ではアダム&ジ・アンツの曲はなかったが、トレーラーでは「アンツ・インベージョン」のコードが使われている。
アニマル・ハウス
スコット・ラングはほぼ2年間、家の中で軟禁生活を送っており、彼は多くの時間を古い映画を見て過ごした。ペイトン・リード監督の場合、この映画を見るだけのシーンでさえ関連性があると証明している。スコットが見ていたのは映画「アニマル・ハウス」で、劇中でハイになった学生ラリーが言うセリフが映された。「OK、すると我々の太陽系全体が、他の巨大生物の爪の中の1原子に過ぎないと言える。いやになっちゃうな。すると僕の爪の1原子がごく小さな宇宙とも言える。」
大きなデュラセル電池
ピムとホープは研究所のオフィスビルをブリーフケースの大きさに変えられ、様々なものを通常の大きさの機械を縮小させたり、小さいものを拡大させることができる。研究所の背景で注目すべきは、彼の研究所を動かす巨大な電源が電池メーカー「デュラセル」の電池であることだ。
ホットウィール・カーコレクション
ピムは車を小さく収納して複数の車両をホットウィールの収納ケースに入れていた。ホットウィールはアメリカのミニカーブランドとして知られ、1960年代に発売されたタイヤ型のホットウィールの収納ケースを使用していた。
ソニー・バーチ
ピムたちのラボを奪おうとする悪意に満ちたソニー・バーチは、アイアンマンのコミックシリーズから来ている。バーチはクロス・テクノロジカル・エンタープライスの責任者で、最終的にアメリカ国防長官になりたかった。バーチはトニー・スタークの古い技術を盗んで、政府の兵器に転用しようと技術を開発した時、国防長官になるという聴聞会の真っ最中だった。結局、彼の安全管理はずさんで、兵器は無実の兵士を殺して失敗に終わり、破滅した彼は自殺した。
ひどい野球帽
MCUのような20の関連映画が作られた場合、同じ部分が存在することがあり、それは不可避。映画では前の作品から参照されている箇所があり、ハンク、ホープ、スコットは大学へ潜入する時に野球帽とサングラスを使って偽装した。スコットはこの変装が逆に人目に付きひどいと話しているが、これはMCUでキャプテン・アメリカが用いた偽装だ。おもしろいことにハンクはまた同じ偽装を使ってFBIの監禁から逃げる。
マトリックス
ローレンス・フィッシュバーンについて記憶に残っているのは、映画「マトリックス」で演じたモーフィアス役の印象が強いだろう。映画でハンク、ホープ、スコットが大学でビル・フォスターを訪ねた時、彼は抗議を行っていた。彼の書いた黒板をよく観察するとそこには「マトリックス」の文字が書かれていることが確認できる。
過去のプロジェクト
MCUに参加することで、映画製作者は数十年にわたるバックストーリーを結び付け、イースターエッグが蘇らせることができる。この例では以前の映画「アイアンマン2」からのもので、映画の削除されたシーンでトニー・スタークはアークリアクターの毒を中和させるために、古いプロジェクトの内容を見て彼の助けになるヒントを探していた。トニーはA.I.のジャービスにオラクルグリッドで「ペガサス計画」「エクソダス計画」そして「ゴライアス計画」を見せるように話した。
アリのためのレッスン
スコットが前のアントマンスーツを破棄していないことが明かされた時、彼らはスーツがあるトロフィーを求めてキャシーの通う学校を訪れる。しかし、スコットの現在のスーツは正確にサイズ変化ができなくなり、最終的には子供の大きさのままとなった。その時の黒板には「私のアリが成長する」と書かれているのが確認でき、スコットの状況を表している。
エッグヘッド
ゴーストはコミックにおいてはアイアンマンのヴィランで、アントマンとは実際に戦ったことがなく、更に女性でもない。エイヴァ・スターはMCUのための新たなキャラクターとなるが、彼女の父エライアス・スターはエッグヘッドとして知られるヴィランでピムの宿敵。米国政府の原子研究センターで働く科学者だったが、技術を横領しようとして捕まった。彼は自身のスキルを証明するためにアントマンを倒そうとしてピムとの因縁が始まった。
家族はCGIよりも優れている
近年の映画においてCGIを使って姿を変えさせて登場させることがよくある。今回の映画でもマイケル・ダグラスとミシェル・ファイファーの若き頃の姿は優れていた。しかし、ローレンス・フィッシュバーンが演じるビル・フォスターの若い頃は、彼の息子のラングストンが演じており、それはとても上手くいった。
キャシーはスタチューに成長したい
映画の中でも魅力的なシーンはスコット・ラングの娘キャシーが彼の背中を守るパートナーが必要だと話した時。キャシーは育ったら父と同じことをしたいと述べており、コミックではキャシーはスコットが死んでいた時に、スーパーヒーローのスタチューとなってヤング・アベンジャーズに参加した。それから彼女は死亡と復活を経験し、現在ではスティンガーとしてヒーローに戻った。
スタン・リーの薬の秘密
よく聞く都市伝説として、数多くの有名作品を生み出す人物はそのアイデアを生み出すために「何か」を用いているのではないかと噂されている。今回のスタン・リーのカメオ出演はそんな一般的な噂に対するセリフで、60年代にやっていた薬のつけが回ってきたと話している。
ティム・ハイデッカー
コメディ映画レビューのポットキャスト番組「オン・シネマ」の出演者ティム・ハイデッカーは、2015年の映画「アントマン」に登場した。ティムは再び映画にカメオ出演を果たし、ジャイアントマンをクジラと勘違いしたツアーボートのキャプテン、ダニエル・グルーバーとして登場した。
ジャネットの衣装
映画でのジャネット・ヴァン・ダインの探索はブライアン・マイケル・ベンディスが手掛けた「アベンジャーズ」誌のストーリーラインによく似ている。シークレット・インベージョンでワスプはスクラルによって生体爆弾に変えられた。ソーによって爆発は抑えられ、死亡したと思われたが、実際には彼女はマイクロバースに縮小した。彼女はアベンジャーズのIDカードからの信号によって発見されるまで、何ヶ月もそこで生き続けていた。マイクロバースでの衣装と映画のジャネットの衣装はよく似ている。
「奴らよ！」
映画の最後にスコットは自宅軟禁が解除されて自由を手にし、ホープとキャシーと共にドライブイン映画を楽しんだ。その時の映画は「放射線X（Them!）」であり、メインキャラクターとして生物学者のハロルド・メドフォード博士と娘のパット・メドフォード博士が登場。その関係図はアントマン&ワスプにも似ている。
消失
映画のクレジットシーンでは映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の影響を直接受けており、スコットが量子世界に行っているタイミングでサノスのスナップに遭遇。ハンク、ジャネット、ホープは消されスコットは量子世界に閉じ込められた。この時にジャネットが警告していた時間渦が「アベンジャーズ/エンドゲーム」に直接つながる。
