Newsaramaより
スーパーマン人気が再燃している。7月には新作映画の公開を控え、DCコミックスも2025年を「スーパーマンの夏」と宣言するなど、鋼鉄の男への期待感は高まっている。私自身も例外ではなく、ここ数ヶ月でスーパーマン関連の書籍が増え、フィギュアコレクションも充実した。この盛り上がりは、コアなファン層だけでなく、メインストリームにも広がりを見せている。

しかし、なぜ今、世界で最も人気のある西側スーパーヒーローがこれほどまでに注目を集めているのだろうか?映画の宣伝効果以上の何かが、スーパーマンを現在の時代に完璧なヒーローたらしめている。

長年に渡りスーパーマンを数多く描いてきた作家、マーク・ウェイド氏はその理由を理解している。彼は『スーパーマン:バースライト』(スーパーマンの起源と初期を描いた作品)や、現在連載中の『バットマン/スーパーマン:ワールドズ・ファイネスト』、『ジャスティス・リーグ・アンリミテッド』など、スーパーマン作品に数多く携わってきた。彼にとって、スーパーマンが2025年最大のヒーローである理由は明らかだ。

ウェイド氏はNewsarama誌のインタビューでこう語る。「今、世界は混乱に満ち、人々は気づいていようがいまいと、常に不安を抱えている。スーパーマンは常に希望の象徴であり、協力すれば何が成し遂げられるか、共感を持つことで何が出来るか、優しさを弱さではなく美徳とすることで何が出来るかを体現している。それは多くの人々、そして私自身にも強く訴えかけるものだ。」

読者でありファンである私にとっても、共感と優しさから生まれる強さというスーパーマン像は響く。スーパーマンの根底にある魅力は、並外れた力を持ちながら自己犠牲の精神で善のために使うという点にあると言われることが多いが、それは今以上に真実味を持っている。

これは新しい発想ではない。スーパーマンは初期から、腐敗した企業幹部、労働組合破壊者、残忍な地主など、庶民の敵と戦ってきた。この大衆的な側面が、他者への危害を加える者以外には脅威とならない普遍的な善の象徴としての地位を確立させたのだ。そして年月を経て、彼の象徴であるSの文字は、故郷クリプトンにおける希望のシンボルとして再定義された。

ウェイド氏は以前Newsarama誌に、「スーパーマンには不可能を可能にするという楽観主義がある。彼が初めて登場した1938年、車を頭上に持ち上げる姿は当時としては衝撃的だった。その種のSF的な描写は、当時のポップカルチャーにはなかった。」と語っている。

要約すると、現代社会の不安や混沌の中で、スーパーマンが持つ「希望」「共感」「優しさ」「自己犠牲の精神」といった要素が、人々の心に強く響き、人気再燃へと繋がっているということがわかります。 初期作品から一貫して描かれてきた大衆的な正義感と、その象徴であるSの文字が持つ希望のメッセージが、今改めて注目されているのです。

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